この2種類のタイヤ。リムに貼ってエアを入れてしまえば、ビギナーが貼ったサイドに
リムセメがべっとりと、ついているもの以外、一目で見分けるのは、
意識してみないとわからない。
グリップは、ほぼクリンチャーは、チューブラーに遜色ないと見て良いでしょう。
特にウエットでのミシュランのアクシアルプロなどは、チューブラーを凌駕するウエット性能を
持っています。タイヤ単体で見た場合チューブラーを超える性能があるのかもしれません。
では、現場(実業団)での両者の比率は…9割以上がチューブラーです。
クリンチャーを使っていないかと言えば、そうではなく練習は、安くメンテも楽な
クリンチャーを。レースでは、ホイールを含めたトータル性能で、クリンチャーを超える
チューブラーをと使い分けをしている選手がけっこういます。
私自身、初めて買ったバイクが「スポルティーフ」と言う、ファウストラン用のバイクでした。
ランドナーのホイルが700Cクリンチャーになったものと思ってください。
もう20年以上前になりますが、ビギナーが一定のタイヤの性能を維持することが、
非常に容易でした。
ここがチューブラーとクリンチャーの大きな違いではないでしょうか。
クリンチャーの場合タイヤのみで見ると、減ればビードワイヤーの噛み込みによるチューブを
はさんでしまい、パンクさせてしまうこと以外、非常に簡単にビギナーでもタイヤ交換が
出来ます。一旦エアを入れて貼ってしまえば即100%の性能がでます。
チューブラーって、ほんと手間と技を覚えなくてはなりません。
チューブラーは、アナログの典型のようなもので、リムセメという糊でリムにタイヤを貼るという
乱暴なものです。
チューブラーの場合、走行しなくても、リムセメントが硬化して粘性を失うと、タイヤがホイルから
はがれてしまうので、3ヶ月 約六ヶ月に一度は、リムセメを塗りなおさなくては、なりません。
画像は、半年間放置されていたタイヤの張り替えです。リムセメが硬化してしまって、下地に
使えません。
リムフラップもタイヤから剥離してリムに。
こうなると小一時間かけて、リムセメントクリーナーと言う溶剤で剥します。
また、タイヤのセンターもリムとトレッド部分の手に感じる感覚でセンターを
出さなくてはなりません。
リムに塗ったセメントでタイヤサイドを汚すのも避けなければなりません。
最終的には、目の前でホイルを空転させ少しずつセンターをタイヤを素手で
こじりながら、行います。
レース用のグレードの高いタイヤほど、貼りやすくセンターも一発で出ます。
これらは、WOだと、必要の無い工程です。
基本的にフルタイムワーカーの多い実業団。みんな24時間しかない一日をやりくりして
練習時間を確保します。バイクのメンテをしている時間が惜しいのです。
練習ホイールのタイヤ交換に、割く時間は極力省きたい。
きっちり貼ってくれるショップがあれば、工賃を払って貼って欲しい…
しかし、選手が使うレベルできっちりタイヤを貼れるショップは、激減しているのが現状。
そうなると選択肢は、クリンチャーになります。
また、選手は、年間最低でも一万キロは、走ります。そうなるとタイヤ代も馬鹿にならない。
その点でも、クリンチャーは、チューブラーに比べリーズナブルでアドバンテージがあります。
また、年に数度しか乗らない人だと、その度タイヤが経年劣化していますから、クリンチャーだと
即交換をオーナーが簡単に出来ます。
これだけメリットがありながら、クリンチャーがレース現場において、主流にならないか
遅まきながらお断りですが、カタログ雑誌の言うことは、忘れてくださいね。
チューブラーのアドバンテージは、ホイールとしてトータルで見た場合、同じ性能のタイヤなら、
確実に100グラム近い軽量と、運動性能。財布に余裕があれば、圧倒的な性能差を
クリンチャーに対して持ったホイールができることです。
クリンチャータイヤには、そのスペックに引っ掛けが一つあります。
「200グラムアンダーの軽量…」とあっても、そこには、チューブや、リムフラップ、
チューブラーリムに比べて、重量のかさむWOリム(WOとは、ワイヤードオンの意味で、
クリンチャーのビードワイヤーの事を表します)。
同じブランドのりムでもクリンチャーとチューブラーと最近は、
2種類がラインナップされています。
確実にチューブラーの方が軽いリム。
同じグレードなら、ビードワイヤーの掛かりを確保するために、その分リムにチューブラーでは、
不要な構造が必要になります。
同じ重量なら、その分クリンチャーのほうが丈夫ともいえますが、同じ重量の
チューブラーリムには、かないません。
しかし圧倒的に違う点が一つあります。
パンクしたさいのバイクの挙動です。
大抵チューブラーは、スローパンクチャー、クリンチャーは、一気に抜けることが多いのです。
画像は、顧客がセカンドバイクに友人を乗せてランの最中にガラス片を踏んでバーストさせた
物です。これだけの痕跡を残すガラス片には、さすがにチューブラーにケブラーネットも、
でる幕が無かったようです。
さて、このバイクを乗っていたオーナーの友人のビギナーは、タイヤバーストにもかかわらず、
落車せず、停止できました。
このバイクは、NRSで古いビチューをリビルドしたもので、ホイル組みもタイヤ貼りも私が
行ないました。
これがもし、いいかげんに貼られていたチューブラーや、クリンチャーだとどうなっていたでしょう。
リムからタイヤが外れ、アルミリムがアスファルトに直にあたり、即転倒落車。
チューブラーのクリンチャーに対する絶対的にアドバンテージがあるところ。
フラットタイヤ(エアゼロ)の状態でもとりあえず、リムはアスファルトに直に触れることなく
ライダーのコントロール下において、減速できます。
とは言え、そんなこと以前に現場では、圧倒的にチューブラーのシェアが高いのです。
それは、やはりトータルの性能でクリンチャーは、チューブラーを超えることが出来ないのです。
ミシュランがチューブラーの開発をしているのが一つの証明ではないでしょうか。
しかし、最近のショップでは、適切なチューブラーホイールの監理のできる店が激減しています。
ショップが「もう今はクリンチャーだよ」などと平気で言っているようですが、それはショップの
都合であったり、レース現場を知らないのです。
先日も、自分が組んだホイールに、自分がタイヤを貼って納品したのですが、オーナーは、
スペアタイヤを持っていなかったので、あまり減らないうちにリアタイアを新品に交換して、
スペアタイアにする事を薦めました。
通勤の途中にあるスポーツバイクを扱うお店で、タイヤ代だけで貼ってもらったと言うその
タイヤは、ホイル均等にタイヤが貼られていなくて、バルブあたりと正反対の部分で、タイヤが
均等に貼られていず、適切なリムセメを塗った後の貼るタイミングも外していたのでしょう。
バルブ部分がリムから浮き、反対側のタイヤは、思いっきりテンションがかかっていました。
そのままだとバルブがずれてパンクの恐れがあるのと、今は入手困難なカンパオメガで
組んだホイルに悪影響があるので、工賃無しで貼りなおしました。オーナーには、注意もして。
貼りの工賃を取らないのは、責任も持たないのと同じ事だと。
NRSでは、貰った工賃分は、きっちり仕事をします。
知り合いのショップだったので、後日「工賃を取らないからといって、いいかげんな仕事は×」と
チェックを入れました。
長文をまとめます。絶対性能は、安全面(フェイルセーフ)も含めてチューブラー。
監理が楽で、ダウンヒルでフラットタイヤと言うのを覚悟できるなら、クリンチャー
といったところでしょうか。
ちなみにプロチームは、金さえ払えば勝敗のかかった、個人TT以外では、
クリンチャーも使います。
しかし、ツアーオブジャパン2005で見た、あるチームのタイヤ。
このチームは、コンチネンタルプロチームとして、○シュランと契約しています。
○シュランは、20年以上前からクリンチャーを全面展開して開発と販売に力を入れています。
でも、このチームのタイヤは、○シュランカラーでロゴとキャラクター入りのビットリアらしき
チューブラーでした。
磨耗やパンクで交換したそのチームの○シュランブランドのチューブラータイヤは、
ミシュランに返さないと、次のタイヤがもらえないというシステムだそうです。
よって、世間に○シュランブランドのチューブラーが出回ることはありません。
