
CASIO PRO TREK Winter Edition + STRAEM LIGHT Key-Mate
ヘビーデューティーな造りでネイビーシールズやSWAT御用達のG-SHOCKをリリースしているカシオ。
そのカシオが1998にリリースした、方位コンパス、気圧高度計、温度計と
3つのセンサーをもつプロトレック。
UIAGM(国際山岳ガイド連盟)オフィシャルウオッチである。
こいつに、LR44バッテリー4つで67mWでClass2の高明度LEDを光射する
STREAM LIGHT Model Key-Mateを取り付けた。
夜間に、バイクのメンテや翌日の補給食の用意をする事が多かった私には、
手元を照らす灯りは欠かせない。
また、私は筋金入りの方向音痴である。
そんな私が南半球のステージレースでろくな地図もないにもかかわらず無事、翌日のスタート地点の
宿にたどり着けたのは、こいつの方位コンパスのおかげ。
南半球だと、方位コンパスが逆を示すはずなのに、なぜか使えた。
その時に使った地図は、大会パンフのコースマップだった。
こんな乱暴な地図だけで、英語も喋れないのに
よく無事に次のスタート地点の宿まで
たどり着けたものだと、われながら感心する。
このレースは、ツールドスノーウィーという
スキー場とスキー場を繋ぐ山岳ステージレースで
カテゴリー1の登りもあるコースだった。
この時、プロトレックの気圧高度計を使って、
ある選手の空気圧の設定をした。
その選手は、クリンチャータイヤのみ製造している
チームの選手だった。
スタート地点から1500メートル近く登って帰ってくる
ステージの事。
高度が上がれば、気圧が下がる。
気圧が下がれば、タイヤの内圧があがる。
下りのブレーキングの熱がリムからタイヤに
伝わるが、それも内圧を上昇させる。
スタート前、6.2気圧と言う低圧でスタートさせた。
ゴール後、ゼファールの空気圧計で計ると
8.2気圧になっていた。
そのタイヤの推奨空気圧は、8気圧。
もし、推奨空気圧である8気圧を入れていたら
10気圧を軽く超えている事になる。
直線では、100キロ以上のスピードが出ていた
ダウンヒルのコーナー。
推奨空気圧8のタイヤに10気圧以上いれて
あなたは、ハイスピードダウンヒルができますか?
帰国後、3デイズ熊野に雇われメカで行った時、このタイヤメーカーのチームのキャプテンであり
エースでありタイヤ開発ライダーでもある男子選手から握手を求められた。
「あなたが、強運のメカニックの橋本さんですか」と。
オーストラリアで6レース。ニュージーランドでも6レース。
合計12レースを走らせて、ノーパンクだった。
空気圧は、連日コースにあわせて6.2気圧から8.5気圧でコントロールした。
それが、単に運だけでノーパンクだったと言われたのだ。
それを自動車の開発エンジニアをやっている元選手の友人に言った。
そのエンジニアがこういった。
「運で済ますと言うのは、エンジニアとして失格だ。12レースでノーパンクと言うデータを
なぜ開発に利用しようとしないのかな。そんなところの造っているタイヤなんてろくなもんじゃないな」と。
当時は、実業団チームを持っていたり、他の実業団チームに無料で供給したりしていたが
2000年、このタイヤメーカーはロードレース現場から姿を消した。
私にとって時計とは、情報ツールである。
