ZIPPリムを手組み販売しているトライアスロンショップでハブにシマノ7800デュラエースを使い
ZIPPウエポニー社製コンプリートホイールより、
ハブの耐久性と転がりがアップしていると
説明しているところがある。
断言する。ZIPPウエポニー社製リムは低価格と、軽量化を実現するためにリムの耐久性はとても低い。
リム、ハブ、スポークの集合体であるパーツのホイールとして考えた場合、
ハブだけいくら耐久性があってもまったく意味は無い。
ZIPPリムで組まれたホイルにデュラハブを使っても、オーバークオリティーなだけで
そのホイルは、生涯グリスアップなどする事も無く命を終えるだろう。
また、
転がりがアップすると言うのだが是非一度、
転がりがアップしている様を見てみたいものだ。
×転がりがアップする→○転がり抵抗が軽減すると作文の揚げ足を取りたいわけではない。
このケースは、魔法の数字とも呼ばれる700C(27in)の回転軸の抵抗の事を
理解していないようなのだ。
ゆえに脚に優しいホイールに次いでの
都市伝説となっている。
7800デュラのベアリングは、推定G40〜G100を使っていると思われる。
我が国は、世界に冠たるベアリング大国である。
私の友人に、ベアリングメーカーに特注でベアリングを造らせる仕事をしているヤツがいる。
R32GTRのアテーサETSを開発した会社と言えば、わかるだろうか。精鋭である。
元々、そいつと同期の違う開発部門のエンジニアが私のチームメイトだった元ロード選手で、
MTBがまだ極一部のマニアの世界だった頃に、KuwaharaのMTBを安価で元ロード選手を皮切りに
エンジニア達に提供し次々と自転車の世界に嵌めていった。
最終的にエンジニアワンフロア丸ごと嵌った。
何か自転車の工学的なことで疑問があると、そのエンジニア達にホットラインを入れる。
安くMTBやロードやパナソニックのフルチタントレンクルを提供した見返りだ。
デュラのベアリングスペックは公表されていないが、ベアリングを特注させる立場のエンジニアに
見せれば、そのベアリングの等級がいくらなのかは、察しがつくのだ。
ちなみに、JIS規格ではG3が最高で、Gの後の数字が大きくなるほど等級が悪くなる。
個人でG3ベアリングを購入するのは、やや諭吉(一万円)を必要とするが、シマノのようなメーカーが
大量に発注購入すれば、現在のデュラのG40相当のベアリングから、最上位のG3に変えたところで、
前後あわせても1000円しない。それをあえてしないのは、実効力が無いから。
ベアリングのチューニングを標榜するショップも多いが、G3ベアリングまで使うと諭吉が3人(3万ね)とか
5人とか平気でとっている。
自転車って、機械効率としては地球上ではダントツで類を見ない高効率なものらしい(エンジニア談)。
エネルギー損失は、ガソリン自動車が70%オーバーなのに対して、ロードバイクだと
エネルギー損失は、10%を切っているとのこと(エンジニア談)。
その10%未満のエネルギー損失のほとんどは、ドライブトレインで発生しているのだ。
チェーンやスプロケット、チェーンリングやディレイラープーリー(これが結構馬鹿にならない)に
気を使ったほうが、実効力がはるかに高い。
例えば、純正のデュラエースのハブに糸を巻きつけて、それをどのくらいの重量で引っぱるとハブが
回りだすかを、ノーマルとベアリングチューンをしたハブで比較テストをしているお店のサイトがある。
純正ノーマルだと確か100g近い重量が必要で、チューンしたものは、10g程度で回りだしていた。
確かに、ハブのベアリング単体での転がり抵抗は、激減してる。
では、それが実走行でどの程度影響をもたらすか。
例えば、ベアリングにメンテナンス不良などがあって、純正品と比べて静止状態からハブに
巻きつけた糸を引っぱって、ハブが回りだす重量が200g必要なハブがあったとしよう。
純正の2倍のベアリングの抵抗があるわけだ。
また、その抵抗のあるハブで組んだホイルと純正ノーマルのハブで組んだホイルの
空転テストをしてみる。スポークに同じ重量を引っ掛けて回して何回転するかを数える。
抵抗のあるハブで組んだホイールが10回転で停止。純正ノーマルハブのホイールは、20回転を超えて
やっと止まった。
ここで、ベアリングチューンをしたハブで組んだホイールを回すと50回転を超えてもなお回っていた。
ザックリ言って、抵抗のあるハブとチューニングしたハブで5倍の転がり抵抗の差が出ているとする。
では、実走行ではどうなるのか。
解り易く、走行テストはトラック(自転車競技場)で行なう。
シュミレーションとして、純正ノーマルハブで走ったタイムと純正の2倍の転がり抵抗のあるハブで
1時間でどれだけ走れるか(周回数)を比較してみる。
最初に純正ノーマルハブを使ったホイールで走行する。
次に2倍の転がり抵抗のハブを使ったホイールで走行する。
仮に純正ノーマルが100周回したとする。では、倍の抵抗のあるハブで走った周回数が
半分になるかと言うとならない。差は発生するが恐らく1周回にも満たないだろう。
更に、純正より50%以上空転した(ベアリングの抵抗が半分と言う事)チューニングハブを
使ったホイールで走ると、周回数が倍になるかといえば、ならない。
1周回どころか、数センチから数メーターといったところだ。
車重7〜9キロで、ライダーを含めても80キロから90キロ程度で700C(27in)と言う大口径の車輪を
持つビークルは、ある意味で特殊なモノといえる。
80〜90キロを700Cと言う大口径で支えるロードバイクは、車軸の抵抗に対してほとんど
依存していないのだ。 700Cが魔法の数字と呼ばれる所以である。
ハブのチューニングが無駄であると言っているわけではない。
重要なのは、バイクトータル(それはライディングも含めて)で考える事。
旗艦パーツであるフレームに始まり、ドライブトレイン、ワイヤードコントロールフリクション、
タイヤ、ポジショニングと言ったトータルで考えることが重要なのである。
ベアリングチューンを標榜するのは、構わないのだが
木を見て森を見ずと言うことだけ誰か伝えてほしい。
